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その3 年金の繰上げはよく考えて
ある電車の中で女性が話していました。
「あなた、年金もらっている?」
「まだもらっていないわ。だって年金は65歳からじゃないの。」
「普通は65歳からだけれど、60歳になるといつからでも繰上げてもらうことができるのよ。今早くもらおうかと考えているところ。金額は減らされるけれど、何年生きるかわからないし、早くもらったほうが得だと思う。」
こんな会話はよく聞くかと思います。私もよく「年金を早くもらいたい」と相談を受けます。老齢基礎年金の受給は原則65歳からですが、希望すれば60歳から65歳になるまで繰上げ支給を受けることが出来ます。繰上げと反対に65歳過ぎから70歳まで繰下げることもできます。
繰上げ、繰下げは月単位で決めることができます。
繰上げて受給する場合1ヶ月につき0.5%減額されます。
62歳から受給しますと
(65歳−62歳)×12月×0.5%=18%の減額なります。
40年間保険料を納めた人の今年の年金額(満額)は792,100円です。
792,100円×18%=142,578円の減額になり、月に直すと1.2万円程少なくなります。繰上げる月数が少ないほど年金額は満額に近づきますが、減った年金は一生続きます。
繰上げ受給をすると年金が減額されるだけはありません。以下のようにできなくなくなることがあることも知って繰上げるか判断しましょう。
・障害者になっても障害基礎年金がもらえない。
・夫が死亡しても寡婦年金はもらえない。
・65歳までの遺族年金は繰上げ支給の老齢基礎年金か遺族厚生年金のら か
選 択なる。
・国民年金に任意加入、保険料の追納ができない。
繰下げは1ヶ月につき0.7%増額されます。
66歳から受給しますと
(66歳−65歳)×12月×0.7=8.4%
792,100円×8.4%=66,536円増額になり、月に直すと5,500円程増えます。
繰下げる月数が多いほど年金額は増えますが、長生きできなかった場合は原則の65歳からもらった人より総受取額は少なくなる場合があります。
何歳まで年金を受給できるかによって繰上げ、繰下げした効果は違ってきます。年金が減額されても生活に必要な状況である場合は別として、長生きのリスクに備える為にも年金受取額が多いほうが安心感は増します。
繰上げはしてしまうと元には戻せません。
よく考えて後悔のないようにしたいものです。

NPO法人いきいきらいふ・ネット
ファイナンシャル・プランナー 中田 実千代
プロフィール
子どものマネー学習、高齢者の住まい、相続、資産運用、住宅ローン等の相談を中心に、セミナー、執筆活動を行う。いつも隣にいて一緒に考えるFPをモットーに、現在仲間のFPと地域の人にセミナー&おしゃべり会を毎週開催
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