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その4 60歳以降働く人の年金(在職老齢年金)
原油、小麦などの資源価格の高騰により消費者物価指数が上昇しています。景気の裏づけのない物価上昇が家計を直撃。60歳になり定年になったからといって悠々自適とはいかない世の中です。年金は65歳にならないと満額受給できません。いきおい何らかの収入の確保を考えなければならず、定年延長、再雇用、再就職などで定年後も会社勤めをする人が増えています。
60歳になると年金の受給権が発生しますが、厚生年金に加入しながら勤めていると収入に応じて年金の一部又は全部がカットされます。
余談ですが、起業・短時間勤務などの働き方は厚生年金の加入義務はないので、年金の支給制限はされず全額受取れます。
28万円と48万円がキーポイントの数字
在職老齢年金の支給停止の仕組みは60歳〜65歳未満と65歳以上に分けられます。年金カットの対象は報酬比例分と特別支給の老齢厚生年金のみです。
65歳から支給される老齢基礎年金(国民年金)はカットの対象とならず全額支給されます。
●60〜65歳未満の在職老齢年金支給停止の仕組み
給与(総報酬月額相当額:注1)と年金(基本月額:注2)の金額によって年金のカット額は違います。
注:1 標準報酬月額に標準賞与額の1/12を加えた額
注:2 年金年額÷12月=基本月額(1月あたりの年金額)
合計額が28万円まではカットはない。28万円超の時、年金の一部又は全部がカットされます。
例えば給与20万円、年金10万円の場合 28万円を超える金額が2万円になりその1/2がカットされ年金支給は9万円になり、収入は29万円になります。一方、給与50万円、年金10万円の場合、年金は全額カットで給与のみの収入になります。
*老齢厚生年金が一部でも支給されれば配偶者への扶養手当の性格を持つ加給年金は全額支給になります。
●65歳以上の在職老齢年金支給停止のしくみ
給与と年金の合計が48万円までは年金のカットはありません。48万円超の場合、給与の増加2に対し年金1の割合で、支給停止になります。
平成19年4月より70歳以上の年金受給者も在職老齢年金の対象になりました。停止される金額は65歳以上と同じです。ただ、被保険者ではないので、保険料の負担はありません。
*28万円と48万円の金額は物価と給与が大きく変動した場合、1万円単位で改定されます。
*60歳以降に支払った厚生年金は退職後、又は65歳になった時点で再計算され年金額に反映されます。
60歳になったら必ず裁定請求を
給与の高い人は年金が全額カットされ、もらえないからと裁定請求を申請しない人がいます。60歳になると働いている、いないに関わらず、年金の受給権が発生します。
裁定請求をしておけば、今後給与が減って年金が一部でも支給されるようになると、何の手続きもせずに自動的に年金が振り込まれます。
実際に年金をもらう時に裁定請求をすると、配偶者がある場合加算される加給年金は、受給権の発生当時の生計維持証明が必要となり面倒になります。
60歳になる3か月前に社会保険庁より裁定請求書が送られてくるので、必要事項を記入して返送しましょう。

NPO法人いきいきらいふ・ネット
ファイナンシャル・プランナー 中田 実千代
プロフィール
子どものマネー学習、高齢者の住まい、相続、資産運用、住宅ローン等の相談を中心に、セミナー、執筆活動を行う。いつも隣にいて一緒に考えるFPをモットーに、現在仲間のFPと地域の人にセミナー&おしゃべり会を毎週開催
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